春のかたみ

空を埋める花のいろ
うつりにけりなわが恋
やがてすべてが過ぎ去るあとも
あなただけを想う

いつか春の夕まぐれ
初めて口づけした
幻のような香りの中で
あなただけを想う

求め合った哀しさよ
降りしきり包んでよ
前も見えず、息も出来ず
あなただけを想う

儚い春のかたみには
いちばん綺麗なわたしを
あなただけに、あなただけに

とどめたいと思う

舞い踊る花の宴 月は止まったまま
もうおそれも戸惑いもなく 流れゆくまま

あなたの胸にこの身を任せ
私は死んでいこう

前も見えず、息も出来ず
あなただけを想う

やがてすべてが過ぎ去るあとも
あなただけを想う

ああこの声が聴こえますか
あなたを想う声が