あらまり君、こんな話を知っているかね…?
荒れ果てた野を 一人の男が歩いておった…
その男の名は…『じまんぐ』 じまんぐの右手には赤い紐
その先に結ばれたる首輪もまた赤く
何が面白いのだ?
サンホラーの諸君…尻に根っこがついておるんじゃないのか!?
コンサートは終わった、ここからはライブだ!
君達の明日はどっちヘ!?
君らの逞しい二本の足で立ち上がり、明日を掴め…
さすれば…幸運を呼ぶ黒銀の犬が君達に吼えるだろう…!
うぉぉぉぉおおおおおぁぁあおおおおぅぅぅ!!
豪奢な廃墟に転がり 冷たい雨に怯える
輝ける名誉も権力(ちから)も 今ではもう過去の所有物(もの)
おぉいぇぇぇぃぃ!!
奪いし物は奪われ 斯して世界は廻る
降り止まない雨の向こうに 何色の空がある
代償(リスク)を背負うほど 加熱する駆け引きは
全て失くすまで気付かない 度し難い自我(エゴ)の下僕(しもべ)…
おぃえーぃぃ!!
空虚な廃墟に転がり 冷たい雨に怯える
帰る場所も待ってる人も 今ではもう過去の支配領域(ばしょ)
奪いし者は奪われ 斯して時代は廻る
降り止まない雨の向こうに 何色の空がある
運命を捩じ伏せ 従える心算(つもり)でも
未来(とき)を掴もうと伸ばした その腕では短か過ぎた…
閉ざされた男の瞳が鮮やかに朽ちる世界と
堕ちてゆく狂夢(ゆめ)に唇を重ねて…残酷な死神(かみ)になる…
──じまんぐの世界
『死』とは…精神(こころ)に先行して
まず肉体(からだ)に依存する感覚から朽ち果てるものらしい
なればこそ人間(ひと)は散々忌避し逃避を企てながらも
絶え間ない悲しみに唇をかさねるだろう…
絶え間ない降り続ける苦悶の日々…
君の心に何を捧げよう
僕の心は君に届くのか 君の愛の色はなんなのか
罪人はじまんぐの瞳の中に唯『世界』を見るという…
百聞は一見に如かず 千聞とてまた然り
憐憫…侮蔑…的外れな嘲笑…謂わば対岸の火事
燃えるまでは熱さ解らず 燃えてからでは遅過ぎる
この世界で何人が罪を犯さずに生きられると言うのか…
──じまんぐの世界、サイドJ
閉ざされた男を瞳が開かれし瞬間(とき)世界は
残酷し得る最悪の狂夢(ゆめ)を…残酷な死神(かみ)を見る…
薄氷色(アイスブルー)に煌く瞳が開かれし瞬間(とき)世界は
幻想し得る最悪の狂夢(ゆめ)を…残酷な死神(かみ)になる…
サンホラーの諸君、君達の声が聞きたいものだな?
いくぞ!
──サンホラァァィ!!
──サンホラァァィ!!
──サンホラァァィ!!
──サンホラァァィ!!
いぃよぉーぅ!!
ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!
ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!
ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!
地に蔓延りし我ら罪人の群れ
願わくば…君がじまんぐの世界に囚われてしまうことを…